「3~4時間しか寝ていないのに元気な人もいるのに、自分は7時間寝ても眠い…」
そう感じたことは誰でもあるでしょう。
実は、眠りの強さ・必要量には明確な個人差が存在します。
そしてその違いは、単なる“気合い”や“体力”では説明できません。
ここでは、「睡眠時間の個人差」が生まれる理由と、そのメカニズムを詳しく解説していきます。
そもそも「寝なくても平気」は本当に存在するのか?
まず大前提として、
本当の意味で「寝なくても大丈夫な人」は存在しません。
どんなにタフな人であっても、睡眠は生命維持に必要不可欠です。
ただし、
- 短時間の睡眠でもしっかり回復できる体質の人(ショートスリーパー)
- 必要な睡眠時間が長い体質の人(ロングスリーパー)
がいるため、「寝なくても平気に見える人」が存在しているのです。
違いの核心①:遺伝子による体質の差
睡眠時間の個人差に最も影響しているのが、遺伝子の違いです。
■ショートスリーパーは遺伝的に説明できる
米国の研究では、ショートスリーパーには
DEC2遺伝子などの特殊な変異があるケースが報告されています。
この遺伝子を持つ人は、
- 4〜6時間程度の睡眠で脳と体を十分回復できる
- 日中の眠気、判断力低下が起きにくい
という特徴があります。
つまり、本人が“短くても平気”なのではなく、もともと短くても回復できる身体なのです。
違いの核心②:脳の疲労の溜まり方が人によって違う
私たちが眠る理由のひとつは、脳の疲労物質(アデノシン)をリセットするためです。
■アデノシンが溜まりやすい人
→「眠くなりやすい」「睡眠時間が長くないと疲れる」
■アデノシンが溜まりにくい人
→「短時間睡眠でも活動できる」
これは、脳の使い方や集中の仕方、性格、ストレス耐性などでも変わり、
個人差が大きく出る部分です。
違いの核心③:生活リズム(体内時計)の強さ
体内時計(サーカディアンリズム)の強さにも個人差があります。
■体内時計が強い人
- 朝スッと起きられる
- 寝る時間がズレにくい
- 短時間でも深く眠れて回復しやすい
■体内時計が弱い人
- 寝る時間がバラつきやすい
- 寝不足で体調が崩れやすい
- 回復に時間がかかり、睡眠時間が長くなる
「寝る・起きる」がきっちり決まっている人は、短くても深く眠れる傾向があります。
違いの核心④:自律神経の強さ・回復力
ストレスに強い人、プレッシャーに強い人は、自律神経の切り替えが得意です。
■自律神経が強い人
- 寝る直前でもすぐ副交感神経が働き、深く眠れる
- 回復が早いため短時間でも元気
■自律神経が弱い人
- 眠る前に緊張が抜けない
- 浅い眠りになりがち
- 深く眠れない分、睡眠時間を多く必要とする
「寝てもスッキリしない」タイプは、ここに原因があることが多いです。
違いの核心⑤:年齢・生活環境・ストレス
必要な睡眠時間は人生のどの段階にいるかによっても変わります。
- 子ども → 9〜10時間必要
- 20〜50代 → 6〜8時間が中心
- 60歳以上 → 深睡眠が減るため長めに寝がち
また、
- 肉体労働や運動をよくする人 → 必要睡眠は増える
- ストレスが多い人 → 深く眠れず睡眠時間が長くなる
- メンタルが疲れている時期 → 睡眠時間が一時的に増える
こうした環境要因でも、必要量は大きく変動します。
「寝なくても平気」に見えても危険なパターン
短時間睡眠が続いても元気に見える人の中には、
実は疲労が蓄積しており脳が鈍感になっているだけ
ということがあります。
・慢性睡眠不足に慣れすぎて「眠気」を感じない
・判断力が落ちているのに自覚がない
・感情が鈍くなる
これは一番危険な状態です。
「自分はショートスリーパーだから大丈夫」と思い込むのは、注意が必要です。
本当に健康かどうかの見分け方
では、その人の睡眠時間が“本物”か“無理しているだけ”かはどう見分ければいいのでしょうか?
■短くても健康な人の特徴
- 日中に眠気がない
- 午前中から集中できる
- イライラしにくい
- 夜になると自然な眠気がくる
- 休日も睡眠時間が大きく変わらない
■実は疲れている人の特徴
- 休日に長時間寝てしまう
- 朝起きるのがつらい
- 集中力が続かない
- ちょっとしたことで落ち込みやすい
- 寝落ちすることが多い
このチェックが最も的確です。
結論:睡眠時間は“体質+生活”で決まる
寝ないでも平気な人と、寝ないとしんどい人。
その違いをまとめると、こうなります。
■違いを生む要素
- 遺伝子(ショートスリーパー体質)
- 脳の疲労物質の溜まり方
- 体内時計の強さ
- 自律神経の切り替え能力
- 年齢・生活環境・ストレス
つまり、「根性」ではなく、体質の違い+環境の影響で決まっているのです。
だからこそ、他人と比べる必要はありません。
あなたが
- 朝スッキリ起きられる
- 日中眠くならない
- 夜に自然な眠気がくる
この状態を保てる睡眠時間こそ、あなたの正解です。

